My Dearest
- 2019.07.18
- 今日の日常
久しぶりにあの人と話をしてみました・・・
穏やかなあの人
ここのところ、ちょっとバタバタと忙しくて、しばらくあの人とお話ができていませんでした。
その人とは・・・
僕の家の祖先に苦しめられ・・・裏切られ・・・自分の愛する人と子供から引き離されたあの人です。
本来であれば陰陽師が必要なレベルの怨念を抱えていた人・・・
彼女は僕と大切な人の間を引き裂くだけでなく、僕の家全てを絶望へと追いやるつもりでした。
自分が大切にしていたものを全て奪われ、自分と同じ苦しみを僕たちに味わせるために、次元は違えど同じ場所にとどまっていたあの人・・・
顔は怨念にまみれ、鬼の形相となり、対話をしようとするだけでこちらの脚に「死」の冷たさが伝わってきた人・・・
1ヶ月の間・・・僕が対話を重ねた彼女は・・・
本当に穏やかな・・・優しい表情に変わっていました。
伝わってくる感触は柔らかで・・・暖かくて・・・それでいて強い女性らしい凛としたものに変わっていました。
尋ねてみました。
「今のあなたの気分はどうですか・・・?」
「幸せです」
「どうしてですか・・・?」
「もうすぐ、あの人と会えるからです」
およそ100年前の昭和初期・・・愛し合っていたのに僕の家の勝手な事情で振り回され、引き離された・・・大切な人を奪われた・・・
ずっと、ずっと・・・時間のない世界の中で、悔しさと怨念に取り憑かれ、自分の激しい感情に振り回されていた彼女は、一番大切な人への気持ちを心の片隅へと追いやっていました。
それは、その気持ちを見てしまうと自分が崩れてしまうから・・・そんな状況で彼女が自分を保つ手段は「復讐」しかなかったのです。
でも・・・そんな彼女の心には再び暖かい愛が灯っていました。
ずっと同じ気持ちを抱えたままひとつの場所にとどまっていた・・・そこにあったのは黒い炎で自分を燃やし尽くす復讐しかなかった・・・
でも、今、彼女は再び最愛の人にもう少しで会える喜びにあふれ、そこには希望の光が見えていたのです。
あの世界には全てがあります・・・いや、あの世界ではなくても私たちには全てがあります。
でも、私たちはそれに気づいていないだけなのです。
復讐に燃えていた彼女は本当は幸せは目の前にある・・・そこに手を伸ばすだけだったのに、目を背けていたのです・・・
今、彼女は愛の方へと自分を向ける・・・その喜びを感じ始めていました。
どんどん心の浄化が進み、軽くなっていく彼女・・・
最愛の人と会う準備はどんどん整ってきています・・・
本当は人の思いに距離はなく、人の思いが届く距離に限界はありません。
思いを開けば思いは届く・・・
目の前の世界にごまかされている限りはそれは見えてこない・・・
目の前の世界からすっと身を引いて、自分の心の奥へと沈み込み、そこで人と繋がるとき・・・
そこには全て分かり合える世界があります。
ほんの1ヶ月前まで僕に敵意の牙を剥いていた彼女は、僕が進む道を暖かく、優しく照らしてくれる存在に変わっていました。
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